【書評】「となりの億万長者 〔新版〕 ― 成功を生む7つの法則」

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本当の億万長者は「えっ?あんな人が・・・」という人たち

「となりに住む平凡なあの人が実は億万長者?」という、アメリカの隠れた億万長者の実態を書いたお金持ち本の名著・トマス・J・スタンリーとウィリアム・D・ダンコ著「となりの億万長者」を読みました。

このタイトルだけでもそそられる名著ですが、投資家さんの中でも特にバリュー投資家と呼ばれる投資家さんの間で一時期ものすごく話題になりました。

「靴下は穴があくまで履きつぶす!」という、とあるバリュー投資家さんは「この本に書いてあることはある著名投資家さんの半生そのものじゃないか!」とまでおっしゃっているのが印象的な一冊です。

このバリュー投資家さんの発言にも表れるように、アメリカの隠れた億万長者の実体をかなり掘り下げて書かれているのが本書の大きな特徴です。

この名著には表舞台には決して現れない・現れようとしない、まず見ることのできない隠れた億万長者たちの半生・生活スタイルが描かれていてます。

普通平凡なひとが一代で億万長者になるための秘訣を垣間見ることができるところが最大の見所です。

成功の秘訣は倹約!・倹約!!倹約!!!一にも二にも倹約!

となりの億万長者達が一番心がけていること、それは一にも二にも倹約!・倹約!!倹約!!!です。

勿論倹約だけで億万長者になれるわけではなく、倹約で貯まったお金は堅実な(絶対ではなく)投資や事業に回り、そのお金をさらに殖やしていきます。

となりの億万長者が億万長者になっていく過程は実際のところかなりシンプルなものです。

倹約する→お金が貯まる→倹約で貯めたお金を投資や事業に回す→倹約する・・・・・の資産が殖えていくサイクルを地道にかつ淡々と回していきます。

倹約で貯めたお金を投資や事業に回すまでは、余程の浪費家でもない限り到達すると考えられます。

しかしその後も同じように倹約して、同じサイクルを延々と回し続けることができるのがとなりの億万長者が億万長者たるゆえんです。

私含めてだいたいの人は誘惑に負けるのでそのサイクルは回せません。様々な誘惑に負けず、意志に頼らないしくみを作って同じサイクルを回すから、となりの億万長者は巨万の富を築けるわけです。

見栄を捨てているからこそ億万長者

となりの億万長者たちは高級住宅街には住まず、一般的な中流層が多数存在している地域に住んでいます。

そしてさらにはステータスシンボルと呼ばれるような金食い虫(高級車・高級腕時計・高級スーツその他etc.)は、いっさい保有もせず身に着けてもいません。

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となりの億万長者たちは、地味でブルーカラー的な事業を一代で成功に導いた自営業者だったり、勤め人でも教師や大学教授といった地味な仕事に就いています。

これらの経営者・労働者は、弁護士や企業の上級管理職のように、ステータスシンボルと呼ばれる金食い虫を身に着ける必要がありません。

となりの億万長者たちはステータスシンボルという金食い虫を身に着ける必要がないので、それに合わせるために高級住宅街に住む必要性はまったくありません。

金食い虫的ステータスシンボルを身に付ける必要がなく、見栄を張らず捨て去ることが容易にできますので、億万長者になるために一番大事な倹約に心置きなく取り組めます。

関連記事:見栄を張ることをしない本多静六先生ととなりの億万長者

容易かつ心置きなく倹約できるので、投資や事業に回すお金も早くかつ多く回すことができます。そしてそれがとなりの億万長者の資産を加速度的に増加させる原動力です。

作中には特注ロールスロイスのプレゼントを断ったとなりの億万長者の話が書かれていますが、この話からいかにステータスシンボルが金食い虫で持たないに越したことがないのがわかります。

となりの億万長者は親から完全に自立している

となりの億万長者たちは親からの支援はほとんど受けず、完全に自立しているのも特徴です。そのことに関しては作中に登場する億万長者・アンとサラの話がとても参考になります。

アンとサラともに、親からの支援を受けない・受けなかったからこそ億万長者になれたと語っているところがポイントです。

アンの話は親からの支援を受けた場合についても触れられており、自立の素晴らしさと同時に支援を受けたことによる恐ろしい弊害も知ることができます。

アンの話に登場する姉が、両親の支援を受けたことによる弊害は本当に恐ろしく、それにより両親なしでは生きられない依存症・傀儡・パシリとして生きて行くしかなくなるところは恐ろしいものです。

特別なことはしてない。それも億万長者になれる

間違った認識ではない当たり前の常識と、わずかな努力を駆使して億万長者になった人たちの実像を垣間見ることが出来るとなりの億万長者という名著「となりの億万長者」。

見えてこなかった億万長者たちの実像を垣間見ることが出来るのももちろん面白いのですが、当たり前の常識とわずかな努力で億万長者になれるという現実は非常に勇気づけられるものです。

色々な意味で格差がうんぬんといわれている昨今、この当たり前の常識とわずかな努力を掛け合わせるスキルが、今まで以上に大事になっていくでしょう。

となりの億万長者が巨万の富を築いた、当たり前の常識とわずかな努力がどのようなものか知ってみたいかたは本書を読むことをおすすめします。

裏技的な特別なことはまったく書かれていません。しかし億万長者になるために必要となることが、驚くくらいシンプルに書かれています。

読む人によってはクドクドクドリャフカとお説教されている感じがするかもしれません。

しかしそのお説教が逆に、自分の行動に太鼓判を押してもらえた感じがして、自分のライフスタイルにゆるぎない自信が持てる人もいるはずです。そんな二面性をもったお金に関する素晴らしい名著です。

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