家計の見直すきっかけになる良書
林總著「正しい家計管理」は、共働き夫婦の家計を抜本的に見直す良いきっかけになるおすすめの本です。
おもしろおかしいことは一切書かれていませんが、良薬は口に苦しのごとく、会社経営をベースにした家計管理のエッセンスが詰まっています。
私自身本書を読んだあと、家計簿をつけていても己の家計が危ういことを認識することができました。
本書を読み家計の危うさを認識したことで、本書で林氏が提唱している教えに従うことにしました。
2冊のまっさらなノートと、2つのまっさらな銀行口座を開設したくらい影響を受けています。
本書最大のポイント「どんぶり勘定は低収入より恐ろしい」を認識する
本書の序盤では、林氏がどんぶり勘定の恐ろしさについて、しつこいくらい強調して書かれています。
どんぶり勘定が一番恐ろしいところは
「お金を使うときの判断基準のものさしがもてない」
という点です。
お金を使うときの判断基準がないのは、「何となく稼いでいるから大丈夫だよね」「何となくお金が残っているから大丈夫だよね」といった感じで、家計の全体像がつかめない状態です。
家計の全体像がつかめないと、いざお金が必要だというときにそのお金がなく、夢や目標を断念せざるを得ない状況に追い込まれます。
本書を読むと、このどんぶり勘定の恐ろしさを認識することができます。この部分がまさに一番の「良薬は口に苦し」の部分です。
どんぶり勘定改善・家計見直しの第一歩。ノートを2冊購入
本書では、自分の資産の増減・意味あることにお金を使えていたかを確認するため、2冊のノートを用意することを提唱しています。
私は色々影響されやすい性格ですので(汗)、本書の影響を受けて早速2冊のノートを用意しました。
どうせなら少しでもやる気を出したいと思い、2冊のノートはとあるお方に選んでもらいそれを使用することにします。
自分の資産の増減を把握するノートが財産目録ノート、意味あることにお金を使えていたかを確認するノートが予算・収支ノートです。
この2つのノートを駆使して、家計見直しの第一歩を踏み出していく次第です。
正しい家計管理で2つのノートを用意する意味とは?
2つのノートを用意する意味とは、自分の財産目録と予算・収支を目に見えてわかるようにするためです。
2つのノートを使い財産目録と予算・収支を書いていくことで、自分が価値を置いているものにお金を使えているか確認することができます。
2つのノートについては本書の第2章で詳しく触れられています。
【第2章】家計の実態を把握する
・家計の真実を把握する
・ノートを2冊用意する
・ノートは手書き
・毎月必ず「現状把握」
・プラスの財産・マイナスの財産を書き出す
・財産目録でわかること
・口座と預金を整理しておく
・昨年の年間収支実績表を作成する
・昨年の収支実績表が作成できなかった人へ
・大きな支出を把握する
・1年間の予測可能な特別支出を算出する
・短期的に家計を考えるためのデータ出典:WAVE出版公式サイト
2つのノートに財産目録と予算・収支を記載して、自分の財産・負債を把握・確認することで、自分の財産(資産)とお金の使い方を見直すことができ、結果として行動を変えていくことができます。
自分の財産(資産)を把握し自分が価値を置ているものにお金を使えているか?
自分の財産(資産)を把握するために使うノートは、「財産目録ノート」として記載していきます。
財産目録ノートに記載し続け、自分の財産(資産)を把握す最大の意味は、自分の現状を自覚することです。
「実は相当な借金があった」「思ったより財産(資産)が全然なかった」「存在自体を忘れていた財産(資産)があった」といったことを、財産目録ノートに記載を続けながら自覚していきます。
現状を自覚することで、
- 「借金を減らしていくにはどうすればいいか」
- 「財産(資産)を増やしていくにはどうすればいいか」
- 「存在自体を忘れていた財産(資産)をどう活かしていくか」
を、具体的な行動に移して解決策を探していくことができます。
自分が価値を置ているものに、お金をうまく使えているか確認するために使うノートは、「予算・収支ノート」として記載していきます。
予算・収支ノートに記載し続け、自分が価値を置ているものにお金を使えているか確認する最大の意味は、各費目(住居費・生活費・教育費等)に対する予算の過剰・過少を可視化することです。
予算・収支ノートに記載を続けていくことで、自分自身で設定した各費目に対する予算配分を見直していきます。
各費目に対する予算の過剰・過少を可視化することで、予算配分を根本から見直す行動を取れるようになり、各費目の予算を余裕を持ちながら使っていくことができます。
どんぶり勘定改善・家計見直しの第二歩。まっさらの銀行口座を2つ開設
本書では現金の管理に、給与振込口座以外に2つの銀行口座を用意することを提唱しています。
私は色々影響されやすい性格ですので(汗)、早速まっさらの銀行口座を2つ開設しました。
今回用意した銀行口座は2つとも通帳発行のある銀行です。
あえて通帳発行のある銀行にしたのは、アナログノートを使うのでどうせなら銀行もアナログで行こうと考えました。
1つ目の銀行口座Aは、お小遣いをのぞいた給与全額を入金です。
2つ目の銀行口座Bには、1つ目の銀行口座Aから口座引き落とし用のお金・お小遣い以外の支出用のお金を入金します。
1つ目の銀行口座Aでは、給与入金と並行して天引預金と特別支出用のお金を積み立てていきますので、その点に留意することが必要です。
銀行口座Aから銀行口座Bに入金されることで、初めてお小遣い以外のお金を使うことができます。
お金を使うまでが非常に面倒くさいですが、この面倒くささが家計見直しには効き目があるとこのこと。
2つの銀行口座を用意することの意味は、お金の用途を明確にすることと、お金を使いにくくするためです。
お金の用途を明確にして、かつ使いにくくすることで、お金が貯まる黒字体質の家計にすることができます。
この面倒くささを活かして、今後の家計改善に活かしていきたいところです。
口座の使いわけは面倒くさい。本当に面倒くさくてしかたがない
本来1つの銀行口座で済むことを、正しい家計管理では銀行口座を2つにわけて行います。
使ってはいけないお金と、使ってもいいお金をわけることはかなり面倒くさいことです。
しかしこの面倒くささが、正しい家計管理では欠かせないものになっています。
面倒くさいからこそお金が使いにくくなり、お金が使いにくいからこそお金が貯まり、そしてそれを過剰に意識せずとも維持することが可能です。
社会一般的に、面倒くささは悪です。
しかし正しい家計管理では、それが一変して善となります。
銀行口座を2つ用意して、お金の使い方を面倒くさくすることは、自然とお金が貯まる体質を作る第一歩です。
自然にお金が貯まるということは、それがシステム化されて労力が少なくなっていることに他なりません。
正しい家計管理における面倒くささは、家計を継続的に黒字化したうえ将来労力を少なくし、精神的にほっとするのに欠かせないものです。
支払専用口座を総合口座にするのは定期預金担保貸付を利用するため
本書で出金専用口座の種類は、総合口座とすることを提唱しています。
出金専用口座を総合口座とする意味は、定期預金をした際に金額の9割まで借入ができる定期預金担保貸付を利用するためです。
この定期預金担保貸付が、正しい家計管理を息苦しいものにしないポイントになります。
日々の生活で出金専用口座から、引き落とされる金額が大きい月があるのは当然のことです。
引き落とされる金額が大きいと、それだけ引き落とし不能が発生する可能性が高まります。
引き落とし不能が発生すると、最悪の場合電気・ガス・水道という生活インフラを止められてるまでに追い込まれてしまうわけです。
生活インフラを止められる最悪の事態を防ぐのに、引き落とし不能を回避する定期預金担保貸付が役に立つ時です。
出金専用口座を総合口座にして定期預金担保貸付を利用できるようにすれば、預金額が引き落とし金額を下回っても定期預金額の9割まで借入ができます。
引き落とし不能で生活インフラ停止という最悪の事態を、定期預金担保貸付を利用することで防ぐことがポイントです。
正しい家計管理では、家計が赤字になる月があることをあらかじめ織り込んでおきます。
どんなにうまく家計管理をしても出金が多い月はありますから、すべての月で家計を黒字にすることは無理です。
すべての月で家計を黒字にするのが無理だとわかっているからこそ、正しい家計管理では赤字になる月があることをあらかじめ織り込んでおきます。
赤字になる月があることを織り込んでいるからこそ、出金専用口座を総合口座にして定期預金担保貸付を利用できるようにするわけです。
定期預金担保貸付は貸付ですから文字通りの借金です。
カードローン・キャッシングと比べればはるかに低金利ですが、借金であることには変わりありません。
赤字の月が発生し定期預金担保貸付を利用した場合は、出金専用口座に速やかに入金して返済しましょう。余計な金利は払わないことです。
家計見直しに面倒くささは良薬。面倒くささを楽しみつつ家計を見直す
家計を把握するのにアナログな手書きノート、お金の管理に2つの銀行口座を使う。効率という観点だけで見れば、このやり方は非常に効率が悪いです。
詳しくは本書を見ていただくとして、この面倒くさいやり方がどんぶり勘定改善・家計見直しには大変良薬になります。
私は実際本書を読み終えたあと、このやり方は本当に良薬だと感じました。
そし実際にノートを2冊用意して、銀行口座も2つ開設してやる気に満ちあふれている状態です(いつまでこのやる気が続くのかは置いといて、汗)。
本書は文章的な面白さという甘味はありませんが、ちょっと苦いけどお金の病には効果てきめんな良薬をイメージさせる本となっています。
短期的な目先の改善より、長期的に体質そのものを変えていく漢方薬のような本だと感じました。
漢方薬を飲み続けるかのように、少しずつ個人の財務体質を改善していきたいところです。
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